GPS携帯や車載ブラウザで何が変わるか…

先日GPSを利用したスタンプラリーサイトittemiaを紹介したので、今後登場してくるであろうGPSを利用したウェブサイトについて考えてみます。

「PC用サイトとは別建てで携帯サイトをきっちりつくるべきか?」

このところ立て続けにこのような質問を寄せられることがありました。やはりiPhoneの発売がわくわく感を誘い、今後のあり様を示しているようにうつるためでしょうか。それとも実際に携帯のフルブラウザで、PCサイトをそのまま見る機会が増えてきているためなのでしょうか。

携帯サイトもあったほうが良いのは当たり前ですが、あえて別でつくらなくても良い時代になってきたのか、という趣旨の質問です。最近の情勢の変化を踏まえても、確かに微妙なトコロです。

この業界にいると一人で先走ってしまうという危険がはらんでいるので、主観は捨ててまずは全体背景を俯瞰で見てみましょう。総務省発表のこちらの資料、とってもお奨めです。

とくにPDF資料なかなか良い情報がつまっているでしょう?
今回の質問のポイントの視点で見てみますと、

  1. 携帯・PHS及び携帯端末からの利用者は昨年からほぼ横ばい
  2. 携帯・PHS及び携帯端末からのみの利用者数は64%も減少している
  3. 携帯電話でのインターネット利用は、10代20代では約60%が毎日すくなくとも1回は利用
  4. 携帯電話でのインターネット利用は、30代~60代半ばでも平均43%程度が毎日すくなくとも1回は利用
  5. 携帯電話でのインターネット利用の目的は、メール受発信、電子掲示板の閲覧・書込み等が約6割
  6. 携帯電話でのインターネット利用の目的:電子掲示板以外のホームページ閲覧、メールマガジン受信等が28%

読み取れるのは、携帯からのみのユーザが激減した…つまりPCでもインターネットを利用するようになり、場面に応じて使い分けする人が増えているということ。そしてコミュニケーション用途の利用が携帯では圧倒的だということ。また携帯でのインターネット利用は減っていく傾向には無いこと。このあたりが気になるところです。

さてさて、携帯からの利用目的で、情報入手というのが28%あるのですが、操作利便性や情報の網羅性など踏まえれば、もし目の前にPCがある状況であれば、わざわざ携帯から情報入手しようとする人はまずいませんよね。(PC・携帯双方からインターネットを利用するユーザが増加したということは、先ほども触れたように場面に応じて使い分けが行われている、ということです。)

携帯から情報入手したい事というのは、おそらく出先での突発的な衝動が多いので、そのタイミングでどういう情報を提供するとユーザを満足させられるか、そこを考えるのが問題解決の一番の近道だと思います。いくらフルブラウザが主流になってきたとしても、そのとき必要ない情報は、邪魔でウザイ存在に感じてしまうはずですし…。

実は携帯端末対応として最も意識しておきたいのは、今後もどんどん登場してくるであろう情報集約的サイトや消費者情報(クチコミ)によるコミュニティなど、外部サイトの活用のほうだと私は考えています。GPS携帯が主流になっていくであろう今後、位置情報という付加価値を加えると、さらに携帯端末の持つ利便性、そしてそこから得られる情報価値はどんどん高まっていきます。企業や店舗が個々で用意できる情報は基本的には単なるデータですが、位置情報とともに扱われると、ユーザにとってとても意味ある情報になり得るからです。

位置情報と周辺情報の網羅性のある集合データ、多くの人のクチコミの信憑性、そしてユーザの志向・要求・要望、これらがあいまって最適の提案を導き出す、そんなサービスがどんどん登場してくるはずです。まさにコンシェルジュというコトバがピッタリ!?

こう考えると、コンシェルジュさんにどう掛け合っておくかが重要なことはすぐにお解りいただけると思います。
特徴、客層、好評な要素…シンプルだけれども、誰かに薦める時の判断基準となるような要素を分析しておくと良いかもしれません。